OUT

「……字…汚すぎだよ…く…真理和…くぅっ…」




僕、真理和にありがとうって言われるような事してない……。


むしろ、真理和に感謝しないといけないくらいなのに……



ゴメン……。



ゴメン……真理和…。




永遠は涙を拭うと、しばらく俯いたまま、動かなかった。




「…ぐず……真理和ぉ…」



手紙で、気持ちが揺らいだじゃないか……


本当に、ごめん…。


真理和…。


ありがとう………。

俺も、真理和が幸せになること、願うよ。




永遠がベンチから離れ、歩こうとした瞬間だった。



「……行って…しまうのカ?」


ピクン…と永遠の体が少し震えた。


「……船長……」


永遠の振り向いた先には、ずっとお世話になった…船長の姿が見えた。


船長のは、悲しげな表情をして、永遠を見ていた。


「…もう一度考えなおさないカ?…永遠くん…」


永遠は涙で濡れた目を拭くと、船長の目も見ずに言った。


「……もう…決めた事なんです…船長…僕…僕は…」




あの政府の暴走を止める為に…


……これからも戦い続ける…





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