OUT


「…ちょ…本当…悪かったよ…深美…永遠…警戒しなさすぎな、俺」

ギチギチ音を鳴らし、降りてくる刃物。




「…だま…れ…はやくこの…鎖を…」


深美の切れ長の目尻に涙が滲む。


「…はや…はやく…あっち行けよ?俺…こんな人の間近で首切られたくねぇし…」


真理和の首から、ニメートルぐらい近くなった瞬間、ギロチンの刃の部分は一時停止した。


妙な緊張感が、辺りを包む。



「…深美…いままでありがとな…」

真理和が、ポツリと吐くように呟いた。

「………は?」

「……も…絶対無理だろ……これ…」


「…ふざけんな馬鹿ぁああ!!!!!」


深美の頬に一筋、涙が伝う。




―――次の瞬間、



真理和の首を目掛けて、


勢いよく刃の部分が


―――落下してきた。




「……ぅああああ!!!!」

「真理和ぉおおお!!!!!」



―――バキィィイン!!!!




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