遥か彼方(短編)

夏祭り





『今から家行くな!』



今日は待ちに待った夏祭り。
そして遙との初めてのお祭り!
すっごく楽しみ!!

『了解( ̄▽ ̄)ゞ』
私はメールの返信をしてから自分の姿を鏡で見た。
やっぱりお祭りだから浴衣を着てみた。
ピンク地にカラフルなお花柄。髪はサイドで少し巻いてみた。
遙、可愛いって言ってくれるかな…?
 〜♪


メールだ。
『着いたぞ!』
「えっ!早っ。」
私は急いで玄関から出た。
「葵!…。」
あ、遙。何故無言?…もしかして……。
「浴衣、似合ってないよね…。」
ちょっとショックかも。
「ち、違う!似合ってて…その。すっげぇ可愛い。」
遙、顔真っ赤じゃん(笑)
なんか、めっちゃ嬉しいな…。
「えと、早く行こっか!」
あ。恋人繋ぎしてくれた…。
まだ着かないでほしいかも…。







「あー!リンゴ飴!たこ焼き!どれ食べよ〜♪」
「お前な…。太るぞ〜。ほら、手離すなよ。」
太るって。お腹減ってるんだもん。
あ、あれって…。
「美咲!!」
と上野くん。
「葵残念。気づいてねぇ。」
美咲ぃ…。ま、こんな人混みの中で聞こえるわけないか。

ぐぅ〜〜


あれ。遙、お腹なったよね?

「ふふふ。何食べたい?」
「……たこ焼き。」
あら、以外と素直かも。
いっつもなら、腹減ってない!って、お腹なったこと隠すのに。

「おじさーん。たこ焼き二つね〜!」
「はいよ。……はい、二つね〜」
私がお金を払おうとしたら遙の手が出てきた。
「俺が払う。そーいうのは彼氏がやるの。わかった?」
遙はそういって私にたこ焼きを渡した。


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