病弱女子とお医者様
【葵】

夜勤明けに家に
帰ったら咲がいた。

しかも、リビングで
こんな時期なのに
冷房をかけて寝ていた。

いつもはすべて嫌がるのに
今日は拒否する気力が
ないのだろうか。

おとなしく熱を
測らせてくれたり、
着替えをさせてくれた。

インフルエンザっぽいけど、
検査してみないと
わからないからな…。

そう思いできるだけ早く
病院へ行った。

 『咲?起きて。着いたよ。』

そう起こしてみても
応答なし。

よっぽど怠いのかと
思うとかわいそうだから、
抱いて診察室まで行った。

竹「あれ?葵先生さっき
  帰宅されたんじゃ?」

 『咲が熱出してて
  急きょ連れてきた。
  悪いけど、インフルエンザの
  検査キッド持ってきて?』

竹「はい、わかりました。」

そう言って急いで
取りに行ってくれた。

竹「葵先生持ってきました。」

 『あぁ。ありがと。』

寝ている咲には
申し訳ないけど、
検査をさせてもらう。

起きてると、泣いて
抵抗するからな…。

起きないように急いで
やって、結果を待った。

疑いが高い人ほど
早く出る。

だから、咲の場合
すぐに出た。

A型インフルエンザか…。

暫く入院だな。

咲には可哀想だけど
しかたないか…。

【葵】END
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