病弱女子とお医者様
 『私は華よりもかなり
  体が弱くて、たくさん
  クラスの人に迷惑を
  かけました。でも誰も嫌そうに
  してなくて、いつもは必ず
  「仮病だろ?」とか聞いてくる人が
  いたのに、今年は誰も言ってこなくて
  すごく嬉しかったです。今年も
  入院したりしてみんなといれたのが
  あんまりなかったけど、思い出は
  たくさんできました。
  入院していた時のノートも
  必ず誰かが貸してくれたりして、
  とても嬉しくて楽しかったです。
  このクラスになって、翔くんと
  再開できたし、舞ちゃんと友達に
  なれたり、いろんな人と話したり…。
  いろいろできて楽しかったです。
  最初から出遅れてしまって、
  心配だったけど、クラスのみんなに
  救われて、まえっちという素晴らしい
  担任の先生に救われて。すごく
  幸せでした。来年クラス離れちゃう子が
  必ずいるけど、また、話しかけてね。
  そして、また集まろうね。必ず
  まえっちも入れて。伝えたいことは
  もっとたくさんあるけど、この辺に
  しとくね。
  一年間本当にありがとうございました。』

言い終えると、今まで
我慢してきた涙が溢れてきた。

まだ、卒業じゃないのに
なんか卒業ムードがすごい
漂ってる。

だから、みんなに
 『まだ、あと一年あるよ!』

って言ってあげた。

こんなことをしていたからか
他のクラスよりかなり
遅くなってしまった。

でも、これも二年生としての
思い出だよね。

そう思って、今日は
同じ方向の人みんなで
帰ることになった。

楽しかったと思うほど
あっという間に時間が
過ぎるってこういうことを
言うんだと思った日だった。
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