最初の一歩はこちらから ~似たもの同士のささやかな恋の始まり~
 ケイちゃんに近づきたくて、ケイちゃんと同じ会社に入った。

 よく入れたものだと思う。IT系コンサル会社。
 就職活動は死ぬ気で頑張った。

 嫌われてはいない。
 むしろ、可愛がってもらっていると思う。小さい時からずっと。



「ねえ、沖田さんと付き合ってるの?」

 沖田さん……沖田慶哉、ケイちゃん。

 家が近所だから、毎朝同じ電車で通勤する。
 会社の事を教えてだの何だの言って、半ば強引に習慣にしたのだ。つまり、確信犯。

 お給料日前には金欠だと言ってケイちゃんにランチをおごってもらう。
 もちろん、お給料が出たら今度はお礼だと言っておごり返すためにランチに誘うのだ。

 こんな風にいつも一緒にいるから、いとこだけど名字が違うから、最初はよく「付き合ってるの?」なんて、そんな事を聞かれた。

 二人一緒の時に聞かれると、ケイちゃんは笑って、

「いとこなんですよ」

 と、私の頭をくしゃっとなでた。
< 4 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop