☆決心☆
「あのね、前の事。ずっとね、悪かったなぁって思ってて。今更だけどごめん。」
「ううん。もういいよ。」
「あの後ね、あたし崇史に会っちゃっったんだ。殺すって脅されたよ。だから、知佳が崇史にちくったんだって思った。
けど、知佳は崇史に何も言わなかったんだね?崇史はカズを、さっき一緒にいた奴だけど、探し出してあたしの事聞いたって。
どうして崇史に言わなかったの?」
「どうしてって・・・そのぉ~。」
「あたしね、崇史が」
「それ以上言わないで!」
「分かった。
・・・知佳?子供産んだの?」
「うん。」
「そっかぁ・・・あたしはおろしちゃったんだ。」
「え?・・・もしかしてそれで学校来なくなったの?」
「それもあるけど・・・まあ色々あったから。
知佳。しあわせになってね。それからごめんね。」
「もういいって。それにあたしはしあわせだよ。結構たいへんだけどね。」
「いいなぁ~。あたしの人生は間違いと後悔ばっかりだよ。」
「人生?ひとみの人生はまだ始まったばっかじゃん。間違いも後悔もあるよ。まだまだやり直せるから。」
「久しぶりだなぁ。知佳のそんなくさいセリフ。他の奴が言うと馬鹿みたいに聞こえるけど、知佳が言うとなんか説得力あるんだなぁ~。」
「茶化さないでちゃんと聞いてよ。」
「聞いてるよ。けど知佳の声はもうあたしには届かないよ。」
ひとみの目、涙が一粒。
「なに泣いてんだよ。しあわせがにげちゃうぞ!」
「ごめん。ごめんね。」
「まぁた謝ってるぅ!ひとみ。また連絡ちょうだいよ。前みたいにいっぱい話そうよ。」
「なんで?あたしは知佳を・・・。」
「だからそんな事は忘れたから。うちら親友でしょ?」
「親友か・・・うん、分かった。またね。」
ひとみは、帰りがけにもう一度振り返った。
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