星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~蒼 side ~


山瀬が来て

俺と五十嵐は部屋を出た。



拓真『昨日…美姫に何があったか知ってるか?』


なにかって…


蒼『なにかあったのか?』


拓真『知らねーならいいや。』


そう言って向こうへ行こうとする五十嵐。


なんだよそれ。

気になるんだけど。


蒼『ちょっと待てよ!
美姫になにがあったんだよ。』

拓真『…溺れたんだよ。』

は?

蒼『なんで?』


拓真『…あんたさぁ…黒木麻子と
どんな関係なわけ?』

蒼『なんで黒木が出てくるんだよ。』

今は美姫の話だろ?

拓真『美姫を海に落としたのが
黒木麻子だからだよ。』


!?


そう言えば昨日…

俺の好きな人がいなくなれば…

とか変なこと言ってて

気にはしてたけど…

まさか…


拓真『山瀬が助けてくれたからよかったけど…
…黒木麻子となんかあったんだろ?』

黒木…

アイツには美姫とのことがバレてる。

そのせいで脅されたりもしてる。

けどそんなこと言えない。


蒼『…別になにもないけど。』


拓真『…どうでもいいけどさ…
あんた…美姫のこと本気なわけ?』

!?

蒼『おまっ…知ってたのかよ!』

拓真『あたりまえだろ。
何年美姫といると思ってんだよ。』

…やっぱすげぇな。

蒼『……………』

俺が黙ってると

拓真『別に脅したり誰かに言ったり
しないから安心しろよ。
ただ…
遊びで付き合ってるならやめろ。
それを言いたかっただけだから。』


五十嵐…

コイツ本当に美姫のこと好きなんだな。

好きで大事に思ってるのがすごく伝わってくる。


蒼『遊びじゃねーよ。真剣だ。』


拓真『……ならいいけど…
美姫のこと傷つけたり
泣かせたりしたら許さねぇから。』

すごい真剣な顔…

蒼『あぁ…わかってる。』

拓真『……黒木のことも決着つけろよ。』

それだけ言って五十嵐は部屋にもどった。


そうだよな。

ちゃんと言わないと。

また美姫に何かされたら困るし…


俺も自分の部屋に戻ろうとすると


山瀬『あっ…紺野先生じゃん。』


山瀬俊。


美姫と訳あって付き合ってるみたいだけど…


そんな奴が俺に何の用だ?


山瀬『いいねぇ紺野先生。』


は?

なにがいいんだよ。


山瀬『美姫ちゃんにあんなに好かれて。』


蒼『なっ…!』


なんでお前が…、


山瀬『安心してよ。
俺たちもう別れたから。』


え…?


山瀬『でも…
あんたが美姫ちゃんを手離したら
俺がもらうから。』


は?


蒼『お前何言ってんだよ。』


山瀬『じゃあそういうことで。』


軽くお辞儀をして山瀬は行ってしまった。


………ったく

みんなしてなんなんだよ。



美姫のことを心配して


黒木のことをどうするか考えながら


自分の部屋に向かった。

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