恋色 ~ハツコイ
蒼は
「やるんだったらさっさとやっちゃお。
めんどくさいから。」
とやけくそのような口調で言ってきた。
隆弥は女子に触れるのだけでも
精一杯の人だったので数秒しか
抱きつくことができなかった。
そこにいた 飯田 拓が
「もー1回抱きつかなかったら画像
タイムラインに載せるから。」
さすがに隆弥も限界だったようで
腰を抜かしてその場に倒れ込んだ。
正直言うと二人が抱きついているのを
見たくなかった。
その影響で隆弥が蒼のことを好きになったら...
と考えると嫌な予感しかしない。
その日はずっとそのことばかり考えていた。
数日間は蒼とあまり話さなかった。
私が買い物から帰ってきた時、
蒼を見かけた。
蒼に話しかけてしばらくすると。
蒼が
「ねぇ。蒼、好きな人できたんだよね。」
一瞬ドキッとした。
もしかして...。
私の予想は的中した。
蒼は下を向いたまま喋りだした。
「私...隆弥のこと好きになったんだ。」
冷たい風が私と蒼の頬をつたって
過ぎ去って行った。
続きは 『恋色2~スキ。』より