私、立候補します!

(部屋の近くと食堂、執務室への道とかは案内してもらっているけど、夜更けで廊下の明かりは少ないだろうし迷ったら困るしな……)

 迷子になって行方不明とされたらたくさんの人に迷惑がかかってしまう。
 何となく窓辺に歩いて行き、そういえば外が静かになったなと思う。
 窓を開けて身を乗り出すように空を見れば、少し前までの嵐が嘘のように星が輝き月が浮かんでいた。

(綺麗だなあ。お城の高さがあるからか何時もより空が近い)

 月を見ているとラディアントの長い髪を連想してしまい、彼はどうしているのだろうかと思う。

(日没の時間帯は雨だったからきっと女性のままだよね? どうか明日もこのまま晴れていますように……!)

 淡く照らす月に祈りを捧げ、エレナは窓をそっと閉めた。


***


 何でまた曇ってるの!
 翌日目覚めたエレナは窓へと駆け寄り、開口一番そう声をあげた。

(せっかく昨夜は晴れたのに!)

 窓枠にあてた手に力が入り、みしみしと音をたててしまうがその音を起こしている本人は気づいていない。

(家にいる時より悪いんだけど。ラディアント様の言っていたことが逆に悪いことになってるよ……)

 いつになったら太陽は眩しいその顔を見せてくれるのだろうか。
 ライズ国で最後に見た青空の景色がひどく恋しく思えてはぁと息を吐き出した。

< 24 / 121 >

この作品をシェア

pagetop