私、立候補します!

(うーん、魔力はどうにもならないからなぁ……)

 共に行きたいと言ってくれるのは嬉しいがこればかりはどうにもならない。
 何かアレクセイの気が紛れることをと考えをめぐらせてエレナに出来そうなことを思いつく。
 エレナは未だ気がおさまらないアレクセイの手を離し、視線を合わせるように腰を下ろして笑った。

「それじゃあかわりに、今度訓練を一緒にしてもいいかな?」

「エレナお姉ちゃん剣が使えるの?」

「剣じゃなくてロッドなんだけど、よかったらお手合わせをお願いしたいかな」

 エレナの提案にアレクセイは目を輝かせて再度手を握って引っ張り始め、エレナは慌てて腰を上げる。

「それじゃあ今から訓練しよう!」

 剣術ならお父様じゃなくてもウィリアムがいれば出来るから、と生き生きとした笑顔でアレクセイは城に戻ろうとする。
 その素早い変わりようにニールが苦い顔をして息を吐いた。

「それなら食事を挟んで夕方まで行っていて構いませんよ。こちらも夕方までは行う予定ですから。――エレナさん、息子をよろしくお願いしますね」

「えっ、こちらこそお相手していただくのでアレクセイ君にお願いしたいくらいです」

 ね、とアレクセイを見下ろせば、彼はにっこりとして元気よく頷きエレナの手を再度引っ張って歩き出す。
 今度は引き止める者がいないためにエレナはお仕事頑張って下さい、と声を張り上げて足を動かした。

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