あの子
第1章
「ね~ね~、今日バイト終わったら待っててねー??いっしょに帰るからぁ~」
 
狭い休憩室にいる全員に話しかけるかのような大きな声で彼女は言った。 

彼氏の方はめんどくさそうにでも少し誇らしそうに、わかったよと答えた。

「うみちゃんやっぱかわいいなぁー」

「もうあっちは済ませたのー??」

まわりの男友達がからかいながら、笑うのが聞こえてくる。

私は一人お茶を飲みながら、二人のことを思う。

──私もあんな恋がしたい。

──いつもラブラブで仲のいい周りからも羨ましがられるような恋人がほしい。   

そしてふと我に返る。



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