秘密



「紺野さんだっけ。よろしく。」


それだけ言うと、岸田光一郎は机にむかった。そして、机の上にあったi-podを聞き始めた。



つ、つめたい。あたしは、予想外のそのきれいな男の子の反応にショックを受けた。

特にこっちから話すこともないので、あたしは机に座って授業が始まるのを待った。授業が始めるのは、十時半。今は九時半。早くきすぎたな。親に早く行けって急かされたんだもん。寝よう。










「ねえ、彼氏とかいんの?」

机にねそべっていたあたしに、そのきらきらとした存在が質問を投げかけてきた。はい!?少しだけとりみだしたあたしは、起き上がるときにペンケースを落してしまった。

空いていたペンケースのすきまから、消しゴムがコロコロと、まるできらきらした存在に吸い込まれるように、転がっていった。


「なに動揺してんの?」光一郎はニヒルな笑いを浮かべた。




「い、いないけど。」あたしは消しゴムをとりに、光一郎のそばにかけよった。彼は消しゴムを拾い、あたしに差し出した。


「もったいないなぁ。」彼はそう言った瞬間、消しゴムをとろうとするあたしの手首をつかみ、体を抱き寄せた。
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