王様の告白
「絶対に失敗しない告白の仕方……と言われましても。
 ただ、普通に『付き合ってくれ』ではいけないんですか?」

 どうやら、出番は無いらしい。

 びっしり予定の詰まった、スケジュール帳をぱたっと閉じて首をかしげる俺に、社長はため息をついて言った。

「相手が、普通の女だったらな……」

「普通じゃないんですか?
 さすがに、よして下さいよ?
 お相手が、どこかの政治家の奥様だったり、芸能界にいらっしゃるどなたか、なんていうのは。
 彼女たちとの交際は、面倒です。
 どうしても、とおっしゃるのならお止めしませんが、くれぐれもマスコミには注意なさってくださいね」

「そんなんじゃ、ない!」

 おお。

 珍しく声を荒げる社長の声を聞いて、少し驚いた。

 そうか、今回は、本気、か。
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