愛とか恋とか嫁だとか。
ドラッグストアで買った、日焼け止めクリームをぶちゅ、と絞り出す。


398円、広告の品。


鏡を何となく見て、叫びだしそうになった。


酷い顔。


そこに写っているのは、そばかすだらけの、髪の毛ボサボサの、冴えないおばさん。


色白の綺麗な肌を昔は誉められたのに。


そばかすは、お気に入りのブランドのコンシーラーと下地でナチュラルにカバー出来ていたから。


20グラム程度、細いチューブで5000円。


とてもじゃないけど、そんな化粧品、今のあたしに買えるわけがないし。


はぁ、と大きなため息を1つついて、日焼け止めクリームを顔に乗せていく。


そばかすは1つも消えず、かえって浮き出て目立つように感じられた。
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