鈴が咲く【前編】
「...俺は、
あいつがなにを言ったか、知らない。
けど、咲希が心配するような事は、
してない。」



こわばらせていた体から
力を抜く。

「そっ...か...」

よかった...
と体から出すような雰囲気を出した。



「...はめられた、
とか言われたのか?」

「!?
知って、たの!?」

「...何回か、な。
俺らは相手にしてなかったけど。
...咲希に何かある前に、
決着付けておくべきだった。ごめん。」

「ううん...
ありがとう。」

なんとなくそう言って気づかれないように一息ついた。




仕掛け、成功...かな?

もう絶対にボロなんて出さない。



私は、天然ヒロインの女の子。
いい子チャンの女の子。






「腕...巻きなおすな。」

「あ、うん。ごめん。
内出血してるのが痛くて、
とっちゃったんだ...あっ!」

口を滑らした振りをして
とっさに口を抑える。

「はぁ...」



佐島君、ため息ついてるよ...


「やっぱ痛いんじゃねーか。
無理してんなよ。」
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