鈴が咲く【前編】
バタン





ドアを閉めて、
自分の部屋へ向かう。







_____カチリ





「…………」

フッと顔から表情が抜け落ちた。



抱えていた勉強道具を
机に置いて、クローゼットを開ける。


置いてあるタンスを引っ張りだして、
それのさらに奥。


私が書き写した古文書と古術書の複製。



座卓にそれらを持って座った。

鍛錬を怠る訳にはいかない。


燈兜の本当の実力が計り知れていない今、
やれることは全てやらなくてはならない


「ふーっ……」

大きく息を吐き出す。


正座して、一礼。



部屋に強力な結界をかけて、
……今夜も、鍛錬に励む。













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