鈴が咲く【前編】
『嘘だろ…』
戦闘音も柳たちの声も
敵軍だった人達の姿も
聞こえているのに
見えるはずなのに
目の前にいる人から目が離せない。
表情から一挙一動全て。
全てを私の意志とは関係なしに体が見逃すまいと動く。
その口から発せられる声が
そのまま直接耳に入ってくるかのように
はっきり聞こえて、ほかの音は遠く聞こえる。
「……長いこと、待たせてごめん。」
伏せられた目が真っ直ぐに私を貫いた
「…鈴、思い出して。」
真っ直ぐのほんとに真っ直ぐの
強い光を持った瞳が
私を捕まえて放さない。
ぁ……