恋は残業の後で!
「こらぁぁぁ~朝夏!寝るな~起きろ!このアホタレ!」
へっ?
背後からいきなり怒鳴り声。
えっ、えっと…
ここは何処?
「ええ根性やな、お前は」
振り向いた私の目が見たものは
「せ、先輩!」
物凄い形相で私を睨むイケメン。
「お前なぁ、明日朝一入稿って分かってんのか?残業してんの分かってんのか?それを手伝ってやってるのが分かってんのか?」
「……」
「可哀想やと思って俺が手伝ってやってるのを理解してんのか? この頭は」
パチン!
「い、痛っ!」
デコピンされた。
「痛ない。ほら寝惚けとらんとさっさとやる」
「は、はい」
慌ててパソコンに向かい
「ほんまにもう、しゃあない奴やな」
顔を上げるとぶつぶつ言いながら向かいのデスクに戻った先輩と目が合ってしまった。
「俺の顔見てたって仕上がらへんぞ。手を動かせ頭を動かせ」
「は、はい」
やっぱり先輩は怖い。
さっき夢に出てきたのとは大違いだわ、当たり前だけど。