永遠の果て
 どこからか、運動部の活気ある声が耳を掠める。
 三年、人生の中ではたったの三年でしかないけれど、私にとってはとても愛おしい三年間が、ここには詰まっている。

「おばさん、ぼーっとしてないで、こっちだよ」
 ワクワク、という感じで手招きする結衣ちゃんに置いて行かれないよう、早足で後に続いた。

 着いたのは、第二体育館の前。
 偶然なことに、結衣ちゃんも私と同じ女子バスケ部だった。
 体育館の扉を開けるなり、先に来ていた幾人かの女の子が走り寄って来る。
 奥の方から聞こえるボールの音に、なんだか体が疼いた。
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