好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「…せっかく再会したんだし、連絡先くらい交換したんでしょ? どうせ」

やっぱりちょっと可愛げのない言葉になってしまったが、棘のある言い方は極力してないつもりだ。


「…まぁ、したけど。一応な、一応。
電話番号だけだし。メアドとか知らねーし」

「何焦ってんだ」

「コソコソメールしてるとか思われたくねーんだよ」

「電話番号知ってればLINEでメール出来るじゃん」

「LINEやってねっつの」

「ああ、そうだった」

てか、仮にメアドを交換してたとしても、別にコソコソメールしてるとか思わないのにな。そんなにちっちゃい女に思われてるんだろうか。だとしたらショックだ。


…いや、ちっちゃいか。
いや、身長のことじゃなくて。


実際、器が。小さいか、私は。
だって。



「…あのさ」

私は課長に、小さな声で言った。


「…青田さんとまた会ってもいいよ。
でも…この部屋で二人きりになるのとかはやめて」
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