好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
それに気づいたから。

「好きなタイプは、内緒です」

「なんだよ」

だって、私の好きなタイプに課長が該当するのが、今はなんか悔しかったから。でも。

「どうせ、俺とは真逆のタイプが好きなんだろ」

そんな風に言われると、

「そんなことない」

と、つい言い返してしまって。


「じゃあ、俺のこと、嫌いではないわけ?」

「嫌いじゃない」

「……あのさ」

「……?」

「もちろん、お前が嫌なら断ってくれて構わないんだけど……」

そう言って課長は、その場に立ち止まり、駅の方向とは一本違う通りの方を指差した。……あっちの方は、いわゆるラブホ街だ。


「……どう?」

私はコクンとゆっくりうなずいた。


その日から、私と課長は、たまにこうして身体を重ね合うようになった。
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