【短】年下の彼に壁ドンされました。
年下の彼に壁ドンされました。



ダメだ。


なんかダメだ。


何がダメって、それはもう――……




背中には冷たい壁。


視線を左右に巡らせば、壁と90度の角度を成して固定されている彼の両手。


いつも同じ目線にある男にしては大きな瞳が心なしか近い。



「俺だってこのぐらい出来るんですからねっ」



“ムスッ”というような効果音が聞こえてきそうな、眉間に刻まれた皺。


気付いているのか、拗ねているのだろう、彼の唇が少し尖っていて。




……――かわいい。


かわいすぎて、もう――ダメだ。





なんでこんな状況にいるのかというと、それは約20分前に遡る。


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