悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
亜美が皆の前で、男子が苦手だと告白した時のことを思い出す。


「男子なんて、乱暴で怖くて嫌だなってずっと避けてきたけど、あんなに素敵な人達もいるんだって改めてわかったから。
このまま誰とも付き合わないなんて、私も人生つまらないよね」


軽く笑う亜美は、一段と雰囲気が明るくなった気がする。

変わろうとしてるんだよね、あたし達。

なんだか嬉しくなって、笑いながら彼女の肩に腕を回してギュッと抱いた。


「そうだよ! 亜美はこんなに可愛いんだから、恋しなきゃダメ!」

「その言葉、そっくりそのままお返しするね」

「あたしは可愛くないし」

「可愛いよ~!」


二人でじゃれ合っていると、あたし達が座る長いテーブルの前に一人の女子が現れた。


「女子特有の褒め合いっこは見苦しいわよ」


腰に手をあてて心底呆れたようにあたし達を見下ろすのは、やっぱりリカ。

あたしは思いっきり不機嫌さを隠しもせず彼女を見上げる。


「何か用?」

「ちょっとひよりにお願いがあってね」


嫌な予感に眉をひそめると、リカはまたしても胸の前に手を組む礼拝ポーズをする。そして。

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