課長が私に恋してる?


「今日の予定は?」



よく漬けられたきゅうりをポリポリと噛み砕きながら、課長の質問もゆっくりと咀嚼する。



「うーーん、まだ決めてないですけど、時間もあるのでプラネタリウムでも観に行こうかと思ってました。リニューアルしたらしいので」



「そう言えば、寝室にもあるんだったけな、プラネタリウム」



「安いやつですけどね、プラネタリウム投影機。たしか3000円くらいの。好きなんですよね、星」



「プラネタリウムとか、小学生の時以来行ってないな。特に行きたいとも思わないが」



「最近の、すごいですよ。目に見えないくらい小さい星まで投影されてるらしいです。まあ見えないんですけど」



「それ、意味なくないか」



「ロマンですよ、ロマン」



「ほー…」



「いま絶対ちょっと馬鹿にしましたよね、課長。……課長は、今日のご予定は」



「奇遇だな、俺もプラネタリウムに行こうと思っていた」



「…………一緒に来たいなら素直にそう言ったらどうですか」



「………最近、お前俺に対して偉そうじゃないか」



「………」



逆に琴子が責められそうになったため慌てて視線を逸らした。
危ない危ない。


< 90 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop