続♪ 奥様のお仕事 
「まだ みんな来てないんだね」

拓海は お墓の前で手を合わせてしばらく
無言で祈っていた。


「何 教えてあげてたの?」


「むこうの大学に行ったら とうさんとマリン
二人っきりになれるから 喜んでるんだよってさ」


「え?何それ」


「うちの両親は いくつになっても 仲良しで・・・・
俺はとうさんを尊敬してるし いつかマリンみたいな
奥さんを見つけて 活発で賢い息子に恵まれたいなって・・・・」


浩一郎が嬉しそうに微笑んだ。

「マリンみたいな 女性はそうそういないぞ」


「ん・・・・きっとどこかにいるよ」


「拓海は見る目があるな」


「たまに口うるさくて ウザいけど・・・・・・
でも可愛くて一生懸命だし 素直だし・・・・・
母としてはまだまだだけどね
奥さんとみれば 理想だよ」


「母としてはまだまだが余計だわ・・・・・」
でも嬉しくて 涙がこみあげてきた。


「愛は充分伝わってますから 安心して
カンのいい優れた息子なんで ボク・・・・・」



「生意気ね~~コイツ~~」
お墓の前で三人で 笑い合った。
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