«過去アリ少女と訳アリ集団»
♯日向沖
「売られたって言っても、人身売買とかじゃなくてね?…利用、されたんだ」
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中二の春。
母親は出て行った。
毎日毎日物が飛び交う喧嘩をしていれば、こうなることは仕方の無かったことなのだろう。
寂しい気持ちは勿論あった。人並みに好きだったし。
でも、どうにかできる年齢じゃなかったから、俺は大人の事情に従うことにした。
今思えば、それはただの言い訳だ。
どうにも出来なくたって、声を上げることは出来たはずだ。
今となっては、もう、しょうがないことだが。