«過去アリ少女と訳アリ集団»
気まずい雰囲気が、自分にだけ流れるのを感じた。
『大丈夫?元気だった?』
「…!…うん、平気だよぉ…」
以前の沖と何ら変わりのない様子の沖に、安心し、笑みがこぼれる。
『そっか!安心した…。それでね?俺も侑麻と話したかったんだけど、実はもう一人侑麻に話したいっていうか…会いたい人がいて…』
少し言葉を濁らせた沖に、その相手が誰なのか分かってしまい、それと同時に逃げ続けることが出来なくなったのも感じた。
『窓の外、見てくれない?』
「うん…」