妄想(笑) 恋歌物語 ~万葉集編~
女がグルッと辺りを見回して、俺を視界に捉えた。
「...あ、えっと、その...俺もな、わざとじゃなかったんだ。...その、大丈夫?」
俺は罪悪感もあってか、しどろもどろとなってしまう。
女は立ち上がって、着物の砂を丁寧に払っていた。
慌てて俺も砂を払うのを手伝った。
大体、綺麗になったぐらいで
「もう結構ですよ。ありがとうございました。」
女はそう言った。
「あの、ごめん!」
俺はそう言うと、精一杯頭を下げた。