禁じられた放課後



出発の朝、
飛び立つ空を二人で眺める。

その距離は
とても遠いかもしれない。

でも、見える星はどこにいても一緒なんだと、今は何を疑うこともなく思い合うことができた。



「すぐ会えるから」



繋がれた手。

今は離れても、
また繋がる先が見える。



空港内に響くアメリカへの搭乗案内を、次に聞くときは二人同じ場所に向かえる時。

きっとその日も、見上げる夜空には星が輝いているだろう。



直哉は空に向かって。
涼香は夢に向かって。

また別の道へと二人は歩み始めた。



空と海を越える未来。

互いの存在する場所に、二つの星は輝き続ける。



運命という名の銀河の中で、変わらぬ想いは永遠に消えることがないだろう。





END

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