禁じられた放課後
隣で話し続ける瑠未の声はほとんど聞こえなくなっていた。
直哉の中には、涼香の笑顔と涙がくり返し浮かび上がってくる。
止められるものなら早いうちに止めた方がいい。
涼香の気持ちも、
そして自分の気持ちも。
外したメガネをいたずらに瑠未が取り上げても、それを取り返そうとする気力も今はない。
少し目をこすって、直哉は大きく溜息をついた。
自分は……止められるだろうか。
惹かれる理由さえもう分からない。
ただ、この気持ちを止めるには美咲の存在が必要だった。