禁じられた放課後



「だから私は何もしてませんよ、山根先生」


「いやぁ、信じてないわけではないんですけど……って、あぁっ!
早川先生。あ、あっちから戻りましょう」


「はぁ?そんな遠回りすることないでしょう」


「いいですから!早く!」



グラウンドの様子を目にした山根は、とっさに早川をその場から遠ざけた。



「なんですか?山根先生」


「い、いえ。なんでもありません」



山根は深く項垂れて、早川と南校舎の方へと歩いた。

無理に背中を押しながら溜め息混じりにつぶやく。




「先輩……それはまずいですよ」
 





< 71 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop