先生の手が触れる時

「その子が苦しんでるって思うのはそれなりに理由があるんですよ…」

俺が苦笑いしながらそう口にすると
二人とも口喧嘩を止めて、こちらをみる

「……その子、体に痣とか傷とか作ってるんだ」

二人の顔色が変わる。

「暴力ってことか?」
「……ひどい」

俺はゆっくり頷く

「……でも、誰にされてるかとか教えてくれない」
「……いじめ?」
「わかんない…ほんとにそれについては踏み込んでほしくないみたいなんだ」

二人はうつむいて何かを考えている
すると絵理子さんが顔をあげた

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