先生の手が触れる時

「……ねぇ、凜」
「ん?」

凜の大きな目が私をとらえる

「私の体のキズのこと…どうして……知ってたの?」

私が恐る恐る尋ねると、凜は頬杖をついて話し出した

「…体育のとき、いつも凪は一人で着替えるから…元々なんでだろうなーって思ってたの。でも、前にね…偶然、更衣室に忘れ物した私が戻ってきたとき凪が着替えてて…」
「…うん」
「わたし、ドア開いてたから誰かいるのかと思って覗いたの。そしたら、凪だった」

そこで、凜は私の傷を見たのだ

「……見ちゃいけないのは何となく分かったし…聞けなかったけど」
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