先生の手が触れる時

「優人?」
「新しいお父さん来たら…お姉ちゃんはお姉ちゃんじゃなくなっちゃわない?」
「え?」

優人は、ぎゅっと私の首に回した手に力をいれた

「……前のパパと一緒にいたとき、お姉ちゃんはお姉ちゃんだったけど…別のパパができたら…お姉ちゃんじゃなくなっちゃうでしょ?」
「………っ」

優人は、新しいお父さんが嫌なんじゃなかった。
私と離れたくなかったからだったんだ

「優人っ……」
「お姉ちゃん」
「ねぇ、優人…新しいお父さんがいても…私は、優人のお姉ちゃんよ」
「ほんとう?」
「ほんと」

そういって、優人のことを抱き締める

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