先生の手が触れる時

晴夏が立っているおかげで、ちょうど先生が見えなくなる

「はい、レシート」

私はお財布からレシートを取り出して晴夏に渡す

それを受け取った晴夏は私の顔を見て眉をひそめる

「……どした?」
「え?」
「………いや…泣いてるのかと思った」

泣いてる?
私が?

涙、は流れてない

もし泣いてるように見えたなら
泣いてたのは心だ

先生と別れてから、ずっと泣いてる

「………泣いてないよ」

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