先生の手が触れる時

「本当に……何やってんだろうな…」

そうぼそり、と呟いた俺の言葉を聞いて
吉宮は一瞬目をみひらいた

「…………はぁー…」

そしてすぐに目を閉じて頭をかくとため息を漏らす

「…まったく……これ見てたの俺じゃなかったらどうすんですか…先生」
「……え?」

思わず顔をあげると、吉宮が苦笑いをこぼしている

どういう意味だ?

「……凪と先生が付き合ってたのなんてずいぶん前から知ってます」
「…そうだったのか…」

本当に何をしてんだ、俺は。
ここにいたのが吉宮じゃなかったらどうなってたか…
普通に考えれば分かったことだろう。

「……ま、あそこで変な言い訳とかされた方が俺は幻滅しましたけど」
「…吉宮……」
「………俺、凪に告白したんです。返事はまだもらってません」

その吉宮の告白に思わず顔が強ばる

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