先生の手が触れる時

そういって、保険医の先生が第2ボタンまであけたとき、保険医の手が止まった。

「……緑川先生……この子と話したことあります?」
「え、あ、はい」
「……この子、何かいじめとかされたりとかは?」
「…いや、そこまでは……どうしてですか?」

俺が問いかけると
保険医の先生が青い顔をして胸元を開く

「…あまり、見せたくはないんですが…どうぞ」

俺は少しの気まずさを覚えながらも彼女の胸元を見る

「……は……?」

目を疑った。


そこにはいくつかの痣。

それと最近つけられたであろう生傷

「……うそ……だろ?」

俺がそう呟くと保険医の先生は腕もまくりあげる

そこには赤い手のあと。

まるで押さえつけるかのような真っ赤な跡



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