蜃気楼の国
「もしかして、白銀さんではありませんこと?」

自分の相方がそんなことを言うと澪は驚いたように目を開いた。

「水、知り合いなのかい?」

「ええ、昔の知り合いですわ。でも、あの時は」

水晶の言葉を最後まで聞かずに白銀は不思議そうに言葉を発した。

「何でお前が居るんだよ、水晶。お前はあの女と一緒じゃ「少し黙っていて下さいます?」

白銀の言葉にいつも温厚な水晶から殺気が立つ。

張り詰めた空気を解いたのか当事者である水晶だった。

「まあ、いいですわ。あなた、白銀さんでよろしいの?」

「ああ、そうだ。シルバーの白銀で間違いねえ」

「なあなあ、石霊って石に住んでるもんじゃねえの?」

煉都が澪に尋ねると白銀がそれに反応した。

「それはオレも知りてえくらいだけど。この女にしかわかんねーよ」

この女、と言いながら自分の胸を指し示す白銀。

そして彼は自虐的に笑う。

「ま、瑚城ちゃんの記憶もトんじゃったみたいだけどな」
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

理系彼女と文系彼氏

総文字数/0

恋愛(純愛)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
(もう、恋することはないと思っていた。……彼女と会うまでは) (恋なんて、無縁だと思っていた。……彼に出会うまでは) イケメンと地味子、文系と理系。 正反対だと思われた二人が出会う時、小さな恋の物語が生まれる。 start 15/9/23~ この作品は「理系彼女と文系彼氏(旧)」の大幅リニューアルVer.です。話の展開などは大きく変わりませんが雰囲気の違う二人を楽しんでくれると嬉しいです。 もちろん、新規読者様にも読んでいただければ幸いです。 本棚in、読者登録など感謝しています。 更新につながる力になるのでよろしくお願いします
理系彼女と文系彼氏(旧)

総文字数/25,965

恋愛(ラブコメ)66ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
(こちらの作品はもう更新はされません。ただいま設定などを練り直し、新たな作品として「理 系彼女と文系彼氏」を更新しています。キャラクターや大筋は変わりませんが、沢山の追加エピソードやキャラクターの練り直しがされています。こちらも多くの方に読んで頂きましたので旧作理系彼女と文系彼氏として残していきます。新版もどうぞ、見てください) 「理恵ちゃん。僕と付き合ってよ」 「丁重にお断りさせて頂きます!」 私は生粋の数学バカ。 数学が大好きで、国語の成績はぼろっぼろ。 高校生活最初のテストで数学の学年一位を取ってしまってから、私の受難の日々が始まる。 文系、肉食、腹黒、超絶イケメンの月見里 文君に惚れられてしまった。 理系、純情、単純、地味子の水橋 理恵。 どたばたラブコメディーの開幕です。 start 13/11/5~15/9/23 第一部完結済。 更新無期限停止、新版を更新中。タグか作家で辿ってください。 感想お気軽に。 と、いうかしてもらえると喜びます! 4/22 39000pv ありがとうございます。 簡単感想、感想ありがとうございます! 番外編(むしろ本編) 『理系女子的クリスマスには文系男子が欠かせない』 も、読んで下さいね!
いろつきのせかい

総文字数/2,562

恋愛(純愛)17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ぼくには、色が見えなかった。 ー色の見えない少年と、色しか見えない少女のお話ー 恋愛未満のほのぼの系短編です。 感想お気軽に。 と、いうかしてもらえると喜びます。 10/11 完結 10/12 あとがき加筆 11/19 1000pv 15/4/22 修整 specialthanks 熊川なおたか様 素敵なレビューありがとうございます。 レビューのお礼は感想ノートに書いています。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop