幼なじみの彼と彼女
１．幼なじみ
目が合っただけで。

なぜあんなに睨まれるのか、わからない。

昔はそんな事なかったのに。

摂津 梓は時々吐き気がするくらい、幼なじみの柏原　祥太郎の悪態に悩んでいた。

いつかあの視線に殺される。

そう思っていた。



古いアルバム。

そこには産まれた時から両親がとり続けた数々の写真があるけれど産まれた時からその横に時々写っているのが祥太郎だった。

祥太郎の父は世界に挑戦した事があるくらいの腕前を持つ二輪レーサーだった。

今は現役を引退して色んな活動をしている。

だから祥太郎の両親は休む暇がないほど忙しい。

気の毒に思った梓の両親は積極的に祥太郎を預かって梓と一緒に遊ばせていた。

５歳になると祥太郎はポケバイに乗り出したので以前程は休日に遊ばなくなってしまったがそれでも遊ぶときは常に一緒。

時には祥太郎の出るレースを見に行ったりしていた。

でも段々、大きくなるに連れて疎遠になっていき。

中学に入ってから今まで一言も話をしていない。

もう中学１年の夏に差し掛かろうとしていた。







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