幼なじみの彼と彼女
「ブサイクー!!」

男子の叫び声と共に起こる笑い声。

そういうのにもいつの間にか慣れてしまった。

こんな風だから女の子の友達もあまりいなくて。

当然、親友と呼べる人もいない。



優しくしてくれるのは。

祥太郎の兄、拓海とその彼女の真由だけだった。



「梓ちゃん、お帰りー!!」

ちょうど、家に帰ると拓海がガレージからバイクを出していた。

「ただいま」

梓は消えそうな笑みを浮かべてそう言った。
< 11 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop