幼なじみの彼と彼女
「…お前さあ」

夕方になって、プールからの帰り道。

西に傾き始める夕日を見ながら二人はトボトボと歩き始めた。

「俺がいる時は守ってやるけど、俺のいない時はどうすんの?
一度、言ってやれよ」

祥太郎のその言葉に梓は歯を食いしばった。

言えるものなら、とっくの昔に言ってる。

「ま、あんな馬鹿どもの相手は疲れるし、無視を決め込むのもいいけどな」

祥太郎は明るい笑顔を梓に向ける。

梓も笑ってみせた。
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