幼なじみの彼と彼女
「祥ちゃん」

梓は帰り道、祥太郎の腕を引っ張った。

「どうしたの?」

祥太郎も立ち止まって振り返る。

「真由ちゃん、幸せそうだったね」

今だに複雑そうな梓を見て祥太郎は

「真由ちゃんにとって、これが一番幸せな道だと思うよ。
…一人で子供を抱えていくより、理解してくれる人が一緒にいてくれたら。
兄ちゃんも真由ちゃんやそーちゃんを責めないよ」

祥太郎がそう言うのなら。

間違いない。

梓は頷いた。
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