【完】強引に、キス

「なっ!」


その写真には私が住んでいる施設と子供達が写っていた。


秋吉先輩はファイルを取り出して紙をペラペラめくる。


「停学中ね、ちょっと調べさせてもらったの。あなた、両親がいないのね。貴女を拾ってくれた施設で住んでるみたいだけど……前の学校でうまくいかなかったんですって?」


どうやったのかわからないけど、次々と私に関する情報を話し出す先輩。


「やめてっ」


「本当は高校に来るのが苦しいんじゃないの?」


ニヤニヤと口角をあげて話を止めない先輩達に反抗が出来なくて悔しい。


「私の家、お母様がサロンを経営しているの。貴女のこと雇ってあげてもいいわよ。金銭面も精神面も支えられて、きっと、お母様も賛成してくれるはずだわ(笑)」


ふふふ、と笑う4人が腹立たしくて私は学校から逃げた。


美亜が呼び止めてくれたのはわかったけど、止まれる余裕なんてない。頭に残るあの嫌な笑い声を消したくてただ夢中で走った。


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