かすみ草の恋
「橘さん……えっとぉ…」


私はドキドキしながら次の言葉を待つ。


ん?と首を傾げると武田君が言った。


「あのぉ〜 リンカちゃんの事なんだけど………」



なんだ……
やっぱり、リンカかぁ。



私は武田くんの事が……

ううん。
ダメダメ。
私はそういうのダメってわかってるじゃない。



武田くんに必死に悟られないように私は言った。


「リンカが?? …どうしたの??」


「最近、リンカちゃん隣のクラスの今井と仲が良いみたいだから
……あの…その……
つ つ 付き合ってるのかな??」


今井万里(イマイバンリ)隣のクラスの男の子で学校で知らない人はいないくらいのイケメン。
正直、リンカとお似合いだ。



でも、そんな事聞いてないな



「えっ?リンカと今井くん??
委員会で一緒でって、事は聞いてるけど
それ以上の事は何も聞いてないし
付き合ってるとかはないと思うよ?」



私の言葉に武田くんは肩を撫で下ろして安心しているようだ。


私はニコッと笑って


「話はそれだけかな??
私は話を聞いてあげることしかしてあげられないけど、頑張ってね」



と言ってその場を後にした。



ポロポロと流れる涙は気のせいにして。
< 3 / 73 >

この作品をシェア

pagetop