かすみ草の恋
2 橘 美佳 恋には蓋を

「おおー!橘やっと来たか〜!」


数人の男子が私を取り囲んでヒソヒソ話始めた。



「…おい、リンカちゃんと今井は付き合ってるのか??」



はいはい。

昨日も同じような事
私の気になる人からも
聞かれましたけど??



でもまぁ、リンカはかわいいもんね。
仕方ないよね。


「…うーーん。付き合ってるとは聞いてないけど??」


「マジ??」


「うん。」


「本当の本当?」


「うん。リンカからそういう話は聞いてないよ?」


「そっかぁ〜 よかったよかった。
リンカちゃんはみんなのアイドルだからなぁ〜」


と言って、1人の男の子が私の肩を抱いてポンポンしてきた


「ふっ(笑)直接聞けばいいのに」


と言って笑っていると


後ろの方からガタンッと机を叩く音がしたと思ったら今井くんが凄い勢いでこっちに寄ってきて、私の肩を抱いてる男の子を吹っ飛ばした。



え?


え?


ちょ ちょっと??


何が起きてるの??



私はびっくりして目をキョロキョロさせていると


今井くんがその男の子の集団を睨みつけながら


「おめぇら、橘の事好きなのか?」


えーー!


そんなわけないじゃんっ!


今、私はリンカの事を聞かれていたんだよ?


って、言っても
こんな事声に出して言っちゃったら
この男の子たちも可哀想だし……


私がオロオロしてると


男の子たちもびっくりしているようで



「「「「へっ??」」」」


となっていた


それでもまだ今井くんの怒りのスイッチはオンのままで……


「どうなんだよっ??!!」



「いやっ!好きとかそういうんじゃなくて…」


と1人の男の子が言うと



「だったら橘に触るなっ!!」


と言って、私の手首をガシッと掴んで
ズンズンと歩きだした。


えーー!


どこ行くの??
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