田舎に住むことになりまして
第二章
キーンコーンカーンコーン....

HR開始のチャイムがなる。

担任に廊下で待っているように言われ、私は今瀕死寸前だ。

これから自己紹介をする事を考えると気が遠くなる。

昔からこう言った類のものは大の苦手で、上手く言った試しがない。

なので、クラス変えの時の自己紹介は皆と同じような事を言ってなるべく目立たないように生きてきた。

(でも今回は違う...)
そう。今回は前の人の真似など出来ない。
なんせ、私しかいないのだから。

それに、転校生は何かと注目を浴びる。

(そう言うの苦手なんだけどな~..)

「じゃあ入ってくれ」
「は、はい!」
担任に促されて教室に足を踏み入れた。
「じゃあ自己紹介して。」
「はい!え、えと、○○市から来ました。道乃爽歌です。よろしくお願いします」
(よし。ごく一般的な自己紹介ができただろう。)

内心でガッツポーズをする。
でも、教室は静まり返り、誰一人として言葉を発しようとしない。
(....え?!)

私、なにかまずいこと言った?!
爽歌の心に不安が過る。
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