好きな人はニセ彼女。
…………あの日、というか昨日、
抱き締められた時と同じ感じ。
……………昔のあの日と、同じ感じ。
おかしいな、忘れたはずなのに。
思い出さないはずなのに。
思い出したくないのに。
でもそれ以上に、夏目くんのことを見てる私がいる。
なんで、なんで………?
『…………城田さん?』
「えっ、あっと……」
違う、違う。
私はただの“ニセモノ”の彼女。
自惚れるなってば、夏目くんのその目は
………私にだけ向いてる目じゃない。
その、優しい目とわずかに赤くなってる表情は
私限定なんかじゃない。