好きな人はニセ彼女。



想像もしてなかった急展開に頭が追いつかない。

好きなのは俺だけだと思ってんだ。

彼女の好きな人は瀬戸だとずっと思ってたんだ。



もう、叶わないって。もう、叶うはずないって思ってたのに。



『……好きだよ……』



俺に抱きしめられながら、泣いてそう言った城田さんは、

いつもより子どもっぽいはずなのに、少し大人っぽく見えて。



また、知らない彼女を見た気がした。






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