オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「ちょっと、何なさってるんですかッ?!」

「何って、お前の服を物色中だが?」

「はっ?」


京夜様は私の衣裳部屋に入り込み、

何やら私の服を探しているようだが……。


「あの、何故私の服を……?」

「………気にするな」

「えっ?…………って、気にしますよっ!!」


彼が次々と備え付けの引き出しを開けて、

“う~ん”と唸りながら服を眺めている。

一体、何がしたいの?


散乱している服を掻き集め、

仕方なく畳みながら元の場所へと戻していると……。


「あっ!そこはダメッ!!」


私はマッハの如く彼の手元を封じ込め、

彼と引き出しの間に滑り込んだ。


「退け」

「出来ません!」

「何故だ?」

「何故って、見ていいものとダメなものがあるくらい、京夜様でも解りますよね?」

「知るか」

「え?」

「いいから、見せろ」

「ダメです!ここだけは見せれませんっ!!」

「同じ事を二度も言わせんな」

「…………それでも見せられません」

「………希和」

「何と言われようと、これだけは譲れません!」


引き出しを後ろ手でガッチリガードし、

珍しく反抗的な態度を取る私に対して

徐々に苛ついて来たご様子の京夜様。

片眉がピクッと上がった。


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